【ショートショート】シリーズ解説へのコメント、すごいことになり、本当にありがとうございました。
皆さまのご意見を参考に、これからも頑張ります!
本日は、さそり座の女です。
【ショートショート】さそり座の女は、何思う
<ウイリアムの日記より>
今日もさそり座の女を泣かせてしまった。
私と別の女が日本料理のお店オポジション亭に入っていったのをさそり座の女に目撃されたのだ。
「あの女は誰よ!私というものがいながら!どういうこと!」
またまたいつもの剣幕だ。
私は、ただ食事に誘われただけであることを説明。
「ウソでしょ?その後ホテルとかに行ってない?もしそんなことしてたら私死ぬわよ!」
でた~!
この女の「死ぬわよ」攻撃。
あ~、たまらなかったなあ。
私のどうしようもない悪癖が、付き合ってる女をどうしようもなく嫉妬させるという悪癖が、この「死ぬわよ」という言葉でゾクゾクする。
女を嫉妬させる悦楽。
これを知ってしまうと、単なる男女の付き合いなんて屁(へ)みたいなものだ。
食事だけだから安心して、と何度も伝える。
さそり座の女は、それでも泣いて、「もしそれがウソだったら、あなたを殺して私も死ぬわよ」と恐ろしいことを言った。
あ~、しびれる。
私を殺したいほど私を愛してるのか。
女の嫉妬ほど私にとっての喜びはないな。
この嫉妬の姿を見るために、わざわざ別の女を食事に誘って、わざわざさそり座の女に見せつけてやったのだ。
もう、これ、私も変態だな。
変態。
それの何が悪い。
こうやってお互いの愛が確認できるからいいじゃないか。
嫌なら私と付き合わなければいいのだ。
嫉妬はするものの、最終的には愛し合う。
愛し合うための刺激が嫉妬。
そう、愛し合うために、嫉妬を使ってるだけなのだ。
今日も満足して寝れそうだ。
<さそり座の女の日記より>
あのバカ、また私のウソ泣きにひっかかってたなあ~
いつまで気づかないんだろう?
あのバカが私を嫉妬させるために、いろんな小細工してるのは、もうだいぶん前からお見通し。
アイツ、私が死ぬ、って言った瞬間、顔が笑ってるもんな。
キモイ・・・
でも、この嫉妬する演技、いつまで続けるんだろう?
あのバカはやめないだろうし。
でも、そんなアイツのことを愛してしまってるし・・・
今度、逆に仕返しにアイツを嫉妬させてやろうかな?
あ、でもやめとこ。
アイツ精神弱いから、そんなことしたらアイツが死んじゃうかもしれないから・・・
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【ショートショート】さそり座の女は、何思う
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