【名探偵ウイリアム】第4話 子どもは月と水星を見て
この物語は、ウイリアムの弟子で医師のネリマの目線から書かれており、文中に出てくる「私」はネリマのことです。
私は医師という職業柄、いろんな患者さんから悩み相談を受ける。
Kくんのお母さんからの悩み相談を受けた。
その悩みとは、Kくんは太陽獅子座なのに、全然元気なくて、学校にも行かず引きこもり状態になってしまったので、なぜなのか?ということ。
Kくんのお母さんによると、獅子座だからもっと元気なはず、もしかして脳の病気なのか?と心配してる。
ちょうど今日、私はウイリアムとお茶することになってるので、このことを相談することにした。
ウイリアムお気に入りのカフェにもうウイリアムはいた。
ウイリアムは必ず待ち合わせ時間の30分前にはいるのだ。
「ネリマくん、相変わらずきみは約束の時間より遅れるね」
いきなりウイリアムの嫌味に・・・
それにも負けず、私はKくんのお母さんの悩みについて、ウイリアムに聞いてみた。
「あ~、獅子座の子ね」
うん?もうなんか心当たりあるのか?
「Kくんのホロスコープはもってきてるよね?」
「ああ、もちろん、ここにあるよ」
Kくんのホロスコープを見るやウイリアムは結論を言った。
「Kくんは小学3年生だよね。ということは、水星がカギを握ってるんだよ」
そう、年齢域のことだ。
8~15歳までは水星の影響が強くなる。
「Kくんの水星は蟹座にあるんだね。蟹座ということは家族なんだね」
「家族?」
「そう。おそらくKくんは家族との団欒というか温もりみたいなものを求めてるはず。それが得られてないんじゃないかなあ」
「あ~、そういえば、Kくんのお母さんは働きに出てて、夫婦共働きで、Kくんは家で一人でいることが多いみたい」
「そうだろうねえ。あと、ついでに言うと、Kくんは月が魚座なので、小学生のころはまだまだ月の影響も強いので、気弱い優しいところが強いので、両親に本当のことが言えないんだろうねえ」
あっという間に問題を推理して解答したウイリアム。
このウイリアムの見解を後日、Kくんのお母さんに話したところ、いきなり泣き始めたKくんのお母さん。
実は、家を空けてKくんを一人ぼっちにしてる毎日をKくんのお母さんも気にしてて、ある程度はそれが原因なのかな、とも思ってたそうだ。
でも、そのことに向き合うのが恐かったとか。
このウイリアムの推理をキッカケに、家族の温もりをKくんに伝えていこうと誓ったKくんのお母さん。
それからしばらくしてKくんが学校に行き始めた事実までは、ウイリアムに報告はしなかった。
ドヤ顔されるのがイヤだったもんでね。
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子どもは月と水星を見て
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