先日、宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」を見てきました。
この映画、完全に地の映画でした。
占星術では、火・地・風・水という四元素があります。
そのうちの地の現実感覚、五感感覚がたっぷりあふれた映画でした。
やはり監督の宮崎駿さんが地のサイン(牡牛座・乙女座・山羊座)に6天体もあるので、地の影響が強い映画になるのでしょう。
牡牛座的に、五感にあふれ、あたたかで、おだやかで、マイペースで、職人的で、ゆっくりした世界観でした。
乙女座的に、真面目で誠実で完璧な主人公で、細部に渡る行き届きのある映像でした。
山羊座的に、しっかりとした目標、できる仕事人、強い責任感、働き者、地味だけど努力家、といった主人公そのものの感じも出てました。
昭和の美しい自然がすごくあたたかに描かれていました。
音もすごいよかった。
プロペラの音、風の音、雨の音、生活の音、どれもよかった。
話題のタバコの場面もすごく多くて、あの煙、そしてなんか臭ってくる感じ。
病人の妻の横でタバコ吸う主人公のシーンはすごく印象的でした。
夫の献身、妻の感謝が微妙に描かれたタバコのシーンでした。
草みたいな野菜をムシャムシャ食べるドイツ人。
雨に濡れる、風に触れる、自然とともにある感覚もよく出ていました。
まさに地の五感にあふれまくっていた映画でした。
そして主人公は朴訥とした一技術者であり、完全なる職人。
宮崎駿監督が引退会見で、「町工場のおやじとしてずっと生きていく」とおっしゃっていたように、この映画の主人公というのは実は宮崎駿監督自身の姿が投影されているのです。
自分の生き様を主人公堀越二郎を通して表現したかったのではないか?と私は推測しています。
主人公の「美しい飛行機」をつくりたいという思い。
この主人公の生き様は、宮崎駿監督にそっくりなのです。
この映画、声優陣もよかったです。
主人公の声をなんと、あのエヴァンゲリオンの監督の庵野秀明さんを大抜擢し、素人と分かる声でしたが、主人公の朴訥さにピッタリで、全編に渡って存在感を出していました。
主人公が愛した菜穂子の声は瀧本美織さんで、透明で可愛げのある声で役にピッタリで、私は瀧本美織さんは向くんのドラマ「ハングリー」の頃から目をつけており、映画「貞子」にも出演されるし、完全ブレイクされた感があります。
主人公の友人の本庄の声が西島秀俊さんで、これまたよかった、ホント今年は西島さんの年といってもいいくらいに活躍されてます。
その他にも俳優の方がいろいろな役の声をされており、そこもこの映画の見所です。
宮崎駿監督は水サインに天体が0なので、どうも人を気持ち的に感動させるとか、泣かせるシーンとかは苦手みたいです。
「風立ちぬ」も感動的な映画なのですが、情感で泣かせるというようなシーンはなくて、まさに地のサイン的な感覚的に感動させていく映画となっています。
この映画は見終わった瞬間の感動よりも、見終わって家に帰ってから、あるいは日が経てば経つほどなんか感覚がずっと残っていくような映画です。
さすが宮崎監督!
人の感覚に永遠に残る映画をつくられました。