ウイリアム占星術童話はあくまで童話ですので、文中に占星術の説明は入りませんが、なんとなく占星術のあのことを言ってるんだろうな~、って文章を書きますので、占星術的解釈は読者の方々でご自由にしてくださいね~
占星術童話第二話 「乙女A」
ある村に生まれた乙女Aは、美しくて、それはそれはよく働く村評判の娘に成長しました。
村の人々にとって乙女Aは自慢の娘でした。
村の親たちはみんな、自分の子どもも乙女Aみたいに完璧な娘に成長してほしいなあ~と望みました。
村中の憧れの娘となった乙女A。
村でこれだけ有名になったので、その評判がこの村を治める殿様にまで伝わりました。
殿様はいい嫁を求めていたので、早速、村評判の乙女Aに会いにいきました。
ひと目見るなり乙女Aを気に入った殿様は、いきなり乙女Aに求婚しました。
こんな信じられないいい話はない、と乙女Aの父親は即座にこの結婚に承諾しました。
村評判の乙女Aはこうして殿様と結婚しました。
デレデレの殿様。
が、しかし、乙女Aと結婚したその日に、殿様の鼻毛が伸びて伸びて、鼻毛で殿様の顔が見えなくなってしまいました。
びっくりした乙女Aは、殿様の鼻毛を全部きれいに切ってあげました。
が、しかし、1時間後にはまた殿様の鼻毛が伸びに伸びて、鼻毛で顔がおおわれます。
再度びっくりした乙女Aは、またまた殿様の鼻毛を全部きれいに切ってあげました。
が、な、なんと、また1時間後には殿様の鼻毛が伸びに伸びて顔が・・・
三度、殿様の鼻毛を切る乙女A。
こうして乙女Aは結婚して何もすることができず、殿様の鼻毛を切るだけの役目をすることになりました。
殿様は1時間に1回は乙女Aに鼻毛を切ってもらわないといけないので、鷹狩りに行くときでも乙女Aをいっしょに連れていきました。
殿様は片時も乙女Aをそばから離すワケにはいかなくなりました。
「殿様、私たちずっといっしょですね」と乙女A。
「もうワシは乙女Aと少しでも離れて暮らすことなんてできないわい」と殿様。
こうして乙女Aと殿様は生涯、片時も離れず、ずっといっしょに死ぬまで離れることはなかったとさ。
おわり
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乙女A
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