4月23日に「3度目の緊急事態宣言は牡牛座4天体で反芻しましょう~」という記事を書きまして、この時期に過去に読んだ本をもう一度読みましょう、とおススメしました。
私はセネカの「怒りについて」と、太宰治の「人間失格」をこの度、もう一度読みました。
「人間失格」を読んでいて気づいたことがあります。
「人間失格」は、主人公の男が人間としての何かを失っていくストーリーで、不朽の名作です。
この「人間失格」を久しぶりにもう一度読んで気づいたのが、この話、なんか天秤座の失敗談なのでは、ってことです。
どうして?
「人間失格」から、いくつかの文章を以下に。
「隣人の苦しみの性質、程度が、まるで見当つかないのです」
「そこで考え出したのは、道化でした」
「おもてでは、絶えず笑顔をつくりながらも、内心は必死の、それこそ千番に一番の兼ね合いとでもいうべき危機一髪の、油汗流してのサービスでした」
「つまり、自分は、いつのまにやら、一言も本当の事を言わない子になっていたのです」
「自分は怒っている人間の顔に、獅子よりも鰐よりも龍よりも、もっと恐ろしい動物の本性を見るのです」
「自分には、その他郷のほうが、自分の生まれ故郷よりも、ずっと気楽な場所のように思われました」
「自分には、人間の女性のほうが、男性よりもさらに数倍難解でした」
「女は過度ということを知らず、いつまでもいつまでも、自分にお道化を要求し、自分はその限りないアンコールに応じて、へとへとになるのでした」
「自分には、淫売婦というものが、人間でも、女性でもない、白痴か狂人のように見え、そのふところの中で、自分はかえって全く安心して、ぐっすり眠る事が出来ました」
「自分は、人間のいざこざに出来るだけ触りたくないのでした。その渦に巻き込まれるのが、おそろしいのでした」
「自分の不幸は、拒否の能力のない者の不幸でした」
ちょっと抜粋が長くなりましたが、これらはずべて主人公の情けないつぶやきです。
この主人公のつぶやきを読むと、天秤座なのに天秤座のことがうまくできなくて、じょじょに人間として崩壊していったような感じ。
天秤座は道化を演じるところがありまして、でもそれは天秤座の特殊能力で、その道化で人間関係をスムーズにしていく強みでもある。
しかし、「人間失格」の主人公は、人間への恐怖から、「道化」という逃げ道をつくって、自分の本心を隠し続けていったのです。
「人間失格」は、天秤座の人は必読かもしれません。
天秤座の人は、この主人公のようになってはならない、っていう反面教師の書に「人間失格」をするといいでしょう。
太宰治は太陽双子座でした。
風サイン(双子座・天秤座・水瓶座)は、感情を嫌がるところがあります。
「人間失格」の主人公も、人間として終わっていく中で、結局は自分の感情に向き合うことができなかった。
占星術の大家の松村潔先生いわく、「風が強すぎて、水がないと、精神障害となることある」とのこと。
「人間失格」の主人公も、きっと、風の人間で、水がなく、感情と向き合わないことによって精神崩壊を起こし、人間で無くなってしまったのでしょう。
「人間失格」は、風の人こそ読むべき本である、とウイリアムは思ったのであった。