ウイリアム占星術童話はあくまで童話ですので、文中に占星術の説明は入りませんが、なんとなく占星術のあのことを言ってるんだろうな~、って文章を書きますので、占星術的解釈は読者の方々でご自由にしてくださいね~
占星術童話第14話 「水瓶と洪水」
とあるセレス村という村でのお話。
セレス村では、なぜか自然に水が溢れ出る水瓶が祭壇に祀られていました。
村人たちは、その水瓶をセレナ村の守護神として大切にしていました。
セレス村の水瓶によって、セレス村は水に恵まれた、村人たちにとって住み心地のいい村でした。
そんな住み心地のいいセレス村で、謎の感染症が広がってしまい、村人の死者も出始めました。
あわてふためくセレス村の人々。
そんな時、隣村であるジュノー村から、牡牛上人というお坊さんがセレス村へやってきました。
牡牛上人は、セレス村の村長に、この謎の感染症に効く薬を持ってきました。
その薬は、牛の血からつくられた薬とのことでした。
隣村のジュノー村では、この薬によって、謎の感染症が収まったということを、牡牛上人はセレス村の村長に伝えました。
藁をもつかむ心境のセレス村の村長は、牡牛上人から大量の牛の血からできた薬を買い取りました。
セレス村の村民たちの税金のほとんどをその薬のために使った村長。
牡牛上人はニコニコとジュノー村へと帰っていきました。
この薬を買った村長は、村人たちに、この薬の効果を伝えて、村人たちに無料で配りまくり、その薬を飲むように伝えました。
この薬を飲むことを、村長は村人たちに強制しました。
この薬の正体がなんだかよく分からないまま、感染症を恐れる村民たちはみんな、薬を飲みました。
が、獅子丸とさそり丸という兄弟は、「なんでモーモーさんの血の薬なんて飲まないといけないんだ!!」って、その薬を飲むことを拒否しました。
村長は怒って、その兄弟に薬を飲むことを強制しますが、この兄弟は村長に反発しました。
村人たちは、この薬を飲まないこの兄弟を村八分にして、村から追い出そうとしました。
「なんなんだ!この村は!」
怒った獅子丸は、村の守護神である水瓶を盗み出し、村の大川であるスクエア川へ水瓶を放り投げました。
すると、翌日、雷とともに豪雨がセレス村を襲い、三日三晩豪雨が続き、セレス村は大洪水となり、多くの村人たちが水死や溺死してしまいました。
さそり丸は恐くなって、獅子丸に言いました。
「兄ちゃん、ワシらがモーモーさんの薬を飲まんかったから、神様が怒ったんとちゃうか?」
獅子丸はその問いに答えました。
「そんなことあるか!逆や!モーモーさんの血の薬なんかを強制的に飲まそうとしたから、この村に天罰が下ったんや!」
「そんなことあるかいのう?」
さそり丸は、なんともいえない気持ちでした。
数年後、村長となった獅子丸は、二度とモーモーさんの血の薬は買いませんでした。
そして、セレス村にはもうあの水瓶はありません。
それでも、水に恵まれたセレス村は、また豊かさを取り戻したのでした。
おわり