ウイリアム占星術童話はあくまで童話ですので、文中に占星術の説明は入りませんが、なんとなく占星術のあのことを言ってるんだろうな~、って文章を書きますので、占星術的解釈は読者の方々でご自由にしてくださいね~
占星術童話第四話 「心の天秤」
さそり村の村長の息子の太郎は嫁取りを考えていました。
太郎の家には代々伝わる家宝の天秤がありました。
この天秤には特殊な能力がありました。
この天秤は、自分のことを好きな人のことを教えてくれる天秤なのです。
あくまで天秤なので、ふたりを天秤にかけないといけません。
この天秤のふたつのはかりに、人の名をそれぞれ紙にかいてのせるのです。
すると、自分のことをより好きに思ってくれてる方のはかりの方が下に傾く、という仕組みでございます。
太郎の父もこの天秤で、三人の女をそれぞれ天秤にかけて、一番自分を好きである女と結婚して、太郎も生まれたのでした。
太郎の場合、嫁取りに際して、5人もの女の候補がいて、どの女を選べばいいのか迷ってました。
そこで家宝の天秤を使った太郎。
5人の名をそれぞれ紙に書いて、全員を天秤のはかりにかけて、だれが一番かを決めました。
最終的に娘Dに天秤が傾き、太郎は娘Dと結婚しました。
太郎のことを一番好きな娘Dは、それはそれは太郎に尽くしました。
さすが家宝の天秤はすごいなあ、と感心する太郎。
幸せな状態が3年過ぎ、子どもの次郎も生まれました。
ところが、3年過ぎたあたりから、娘Dの太郎への愛があまりにも重く感じ始めた太郎。
重く感じ始めた太郎は外出が多くなり、外の酒屋で町娘と楽しく話すことが生きがいになっていきました。
そんな太郎に嫉妬していく娘Dは鬼嫁へと変貌しました。
それからというもの、毎日が苦痛になっていった太郎。
地獄のような日々。
とはいえ、気の弱い太郎は娘Dに自分の気持ちを言うこともできません。
「こんなことになったのもすべて家宝の天秤が悪いんじゃ!」
と言って、太郎は家宝の天秤を地面に叩きつけ、粉々にこわしてしまいました。
太郎の家に代々伝わってきた家宝の天秤による嫁取りも太郎の代で終わりました。
息子の次郎は大人になり、自分の好きな娘と結婚し、それはそれは幸せに暮らしたとか。
そんな息子の幸せな姿をうらめしく思いながら、太郎は77歳で亡くなりました。
おわり
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占星術童話第四話 「心の天秤」
さそり村の村長の息子の太郎は嫁取りを考えていました。
太郎の家には代々伝わる家宝の天秤がありました。
この天秤には特殊な能力がありました。
この天秤は、自分のことを好きな人のことを教えてくれる天秤なのです。
あくまで天秤なので、ふたりを天秤にかけないといけません。
この天秤のふたつのはかりに、人の名をそれぞれ紙にかいてのせるのです。
すると、自分のことをより好きに思ってくれてる方のはかりの方が下に傾く、という仕組みでございます。
太郎の父もこの天秤で、三人の女をそれぞれ天秤にかけて、一番自分を好きである女と結婚して、太郎も生まれたのでした。
太郎の場合、嫁取りに際して、5人もの女の候補がいて、どの女を選べばいいのか迷ってました。
そこで家宝の天秤を使った太郎。
5人の名をそれぞれ紙に書いて、全員を天秤のはかりにかけて、だれが一番かを決めました。
最終的に娘Dに天秤が傾き、太郎は娘Dと結婚しました。
太郎のことを一番好きな娘Dは、それはそれは太郎に尽くしました。
さすが家宝の天秤はすごいなあ、と感心する太郎。
幸せな状態が3年過ぎ、子どもの次郎も生まれました。
ところが、3年過ぎたあたりから、娘Dの太郎への愛があまりにも重く感じ始めた太郎。
重く感じ始めた太郎は外出が多くなり、外の酒屋で町娘と楽しく話すことが生きがいになっていきました。
そんな太郎に嫉妬していく娘Dは鬼嫁へと変貌しました。
それからというもの、毎日が苦痛になっていった太郎。
地獄のような日々。
とはいえ、気の弱い太郎は娘Dに自分の気持ちを言うこともできません。
「こんなことになったのもすべて家宝の天秤が悪いんじゃ!」
と言って、太郎は家宝の天秤を地面に叩きつけ、粉々にこわしてしまいました。
太郎の家に代々伝わってきた家宝の天秤による嫁取りも太郎の代で終わりました。
息子の次郎は大人になり、自分の好きな娘と結婚し、それはそれは幸せに暮らしたとか。
そんな息子の幸せな姿をうらめしく思いながら、太郎は77歳で亡くなりました。
おわり
